報告

秋桜祭でレプリカを展示

信濃町には学校が1つしかありません。平成24年に町内の学校が統合され、長野県初の公立校舎一体型小中一貫教育校「信濃小中学校」が誕生しました。
今日と明日、信濃小中学校で秋桜祭(しゅうおうさい)という文化祭がおこなわれています。1階にはPTA・職員作品展の部屋が設けられていて、その一角に「野尻湖から発掘された化石・遺物のレプリカ」を展示させていただきました。

ナウマンゾウ化石レプリカ展示

野尻湖から発掘された化石・遺物のレプリカ

かつて、野尻湖ナウマンゾウ博物館の隣には野尻湖小学校という学校があり、子どもたちはよく博物館に来てくれました。しかし、学校が遠くなってからは気軽に来てくれる子どもたちはめっきり減ってしまい、それとともにナウマンゾウや発掘のことについても、子どもたちの意識の中では遠い存在になってしまったように感じられます。そんなことから、少しでもナウマンゾウの化石を身近に感じてもらおうと、展示させてもらうことにしました。
これは作品?と思われるかもしれませんが、型に石膏を流し込んで成形した真っ白なものに、博物館職員Kさんが着色して完成させた立派な作品です。並べて見てもどっちが本物かすぐには見分けがつかないほど、そっくりに着色されています。

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着色前のレプリカはこんな感じ

これを見た子どもたちが少しでも興味をもってくれて、発掘に参加する子どもたちが増えて欲しいと期待しています。

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イベント「ほねのはくぶつかん」をおこないました

11月19日(土)、20日(日)に当館の最寄りの公民館で文化祭がおこなわれました。当館では20日(日)に公民館の一室をお借りし、イベントを開催しました。

信濃町内で見られる動物たちのほねを中心に展示しました。野尻湖で発掘されたナウマンゾウやオオツノジカの化石も展示し、来場された方に見たり、触れていただきました。
子どもたちにはナウマンゾウの骨のパズルを挑戦してもらいました。
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またミニゲームもおこないました。ナウマンゾウの歯の化石をもってもらい、野尻湖の砂で同じ重さを再現してみようというものです。化石とぴったり同じ重さにできた方にはささやかなプレゼントをさしあげました。
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感覚だけで同じ重さにするのはむずかしく、ぴったりにできた方は少なかったのですが、ゲームを通して化石の重さなどを実感していただけたことと思います。

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大室古墳群、八丁鎧塚に行ってきました

本日(10月2日)、学習会「遺跡めぐり(秋)-大室古墳群(長野市)と八丁鎧塚古墳(須坂市)-」をおこないましたので報告します。参加者は19名でした。
今回は積石塚と呼ばれる石だけを積み上げてつくられた古墳をテーマに見学することとし、まずは長野市の大室古墳群に向かいました。朝9時にマイクロバスに乗り込み、高速道路にのって長野インターチェンジを目指しました。最初の見学は高速道路から見える大室古墳群。大室第一と第二トンネルの間に見える古墳群をバスの窓から見てから高速道路をおり、古墳群に向かいました。大室古墳群は国の史跡に指定されていて、エントランスゾーンと呼ばれる範囲は全体に芝が張られ、きれいに整備されています。ここでは長野市教育委員会の風間さんと清水さんにご案内をしていただきました。最初に大室古墳館というガイダンス施設の中で、空中写真や地形模型を使って大室古墳群の全体的な説明をしていただき、その後、整備された古墳を説明していただきながら見学しました。石室に入ることのできる古墳もいくつかあり、この古墳をどうやって造ったのか、どのように埋葬したのかなどを考えながら、5世紀から7世紀という遠い昔のことに思いを巡らすことができました。

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大室235号墳を見学

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大室244号墳(将軍塚)の石室に入る

昼食の後、須坂市の八丁鎧塚に向かいました。ここは県指定の史跡で、やはりきれいに整備されています。ここでは須坂市立博物館の三ツ井さんに説明をしていただきました。東日本最大級の積石塚古墳ということで、まずはその大きさに圧倒されました。積まれている大量の石は近くを流れる鮎川から運ばれてきたものということで、切り出した平らな石で造られた大室の古墳とは違い、円礫を積み上げて造られていることが見て取れました。

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八丁鎧塚を見学

その後、須坂市立博物館へ移動し、八丁鎧塚や本郷大塚から出土した遺物を見学しました。八丁鎧塚からは獅子の顔が付いた帯金具が3点出土していたり、南シナ海で採れる貝を素材にした腕輪が出土していたりと、朝鮮半島とのつながりが感じられる遺物が出土していることや、本郷大塚からは盗掘されていなかった石室の中から、鏡や太刀、耳飾りなどが多数出土し、馬具も多く見つかっていることから、馬の生産などとのかかわりが考えられることなどの説明を受けました。須坂市立博物館からの帰路、本郷大塚古墳に立ち寄り、道路拡幅のために破壊されかけた古墳がきちんと残されているところを見てきました。

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本郷大塚古墳

今日一日、天候にも恵まれ、信濃町では見られない古墳をたっぷり見学して、この地域の古墳時代について多くのことを学ぶことができました。
各見学地でお世話になったみなさまに感謝いたします。
(渡辺哲也)

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星空研究会のパネルが新しくなりました

信濃町には観望会などを定期的におこなっている天文愛好家のグループ「信濃町星空研究会」があります。博物館では研究会の皆さんの活動を紹介するパネルを掲示板に展示していますが、最近、写真を入れ替えてパネルを更新していただきました。研究会のメンバーの方がポリネシアで撮影した皆既日食や長野県上田市で撮影した金環食の写真など、とてもきれいな写真が展示されました。わずかな時間でしか見られないその瞬間を苦労してとらえた写真など、とてもすばらしい写真ですので、博物館にお越しの際にはぜひこのパネルもご覧ください。

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黒曜石のペンダントをつくりました

昨日(6月11日)、体験教室「黒曜石のペンダントづくり」を開催し、17名の方に参加していただきました。黒曜石は天然のガラスのような石で、石器時代の人々が石器の材料としてよく使っていた石です。今回の体験教室では北海道産の黒曜石のかけらを鹿の角を使って削って、ペンダントづくりに挑戦してもらいました。

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黒曜石ペンダントづくりに挑戦中

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黒曜石に鹿の角の先を押し当てて削ります

 

最初に黒曜石の縁に鹿の角を押し当てて削り、ペンダントの紐をしばるためのえぐりを入れてもらいました。さらに全体を削って形を整え、革の紐をつけたらでき上がり。ちょっと力が必要で、小学校低学年の子どもたちは苦労をしていましたが、手伝ってもらいながら、無事完成させることができました。

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できあがった黒曜石ペンダント

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関山神社、鮫ヶ尾城跡をめぐりました

6月5日(日)に学習会「遺跡めぐり(春)-関山神社と鮫ヶ尾城-」をおこないましたのでご報告します。参加者は26名でした。

午前9時に博物館を出発し、まずは新潟県妙高市の関山神社に向かいました。関山神社では妙高(関山)の文化を語る会の川上さんほか2名の方にお出迎えいただき、丁寧にご説明をしていただきました。最初に社殿の中で妙高山の信仰のこと、秘仏の本尊のこと、社殿のことなどについてお話をうかがい、次に妙高堂、石仏群、仏足石を見学しました。多くの古い石仏が並んでいたり、巨石に細かい彫刻がされていたりと、古くから信仰を集めた地であった証拠が残されていることに驚かされました。次に旧関山宝蔵院庭園を見学しましたが、明治になって廃寺となった寺の庭園がよく残されていて、現在は国の名勝に指定されています。妙高山を借景とした庭園は中央に妙高山が見えるように設計されているそうですが、この日は雲に隠れて妙高山は見えず、とても残念でしたが、このすばらしい庭園をバックに、全員で記念撮影をしました。

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仏足石を見学

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旧宝蔵院庭園で記念撮影

次に上越市中郷区にある片貝縄文資料館へ行き、資料館の荒川さんに館内をご案内いただきました。近くの籠峰遺跡から出土した主に縄文時代後期から晩期にかけての土器や石器がたくさん展示されていて、土偶、石棒、石冠といった信濃町ではほとんど見たことのない遺物を見学することができました。ここでは部屋をお借りして、昼食をとりました。

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片貝縄文資料館を見学

午後は妙高市の斐太歴史の里に行きました。ここでは斐太歴史の里ボランティアガイドの会の皆さん5名で、2班に分かれ、見所ごとに丁寧に説明をしていただきました。斐太遺跡は弥生時代後期の遺跡で、竪穴住居跡と思われるくぼみを多数見ることができました。鮫ヶ尾城跡ではいくつもの堀切を通りながら山頂へと向かい、山頂付近ではここで上杉景虎が自刃したのではないかという説明を聞き、遠い戦国時代に思いをめぐらすことができました。

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鮫ヶ尾城跡へのぼっています

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曲輪で説明を聞きました

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鮫ヶ尾城跡山頂

 

最後に斐太歴史民族資料館に行き、斐太遺跡から出土した土器や鮫ヶ尾城跡から出土した焼けた米、民俗資料などを見学し、帰路につきました。

信濃町からそれほど遠くない地域で、信濃町ではあまり見ることのできない遺跡、遺物を、その地域の方々からご説明をいただいて見学することができ、今回もとてもたくさんの発見がありました。こうした近隣の地域の歴史や文化を知り、そこから、わが町の歴史や文化との関わりについても考えていけたらと思います。
各見学地でお世話になったみなさまに感謝いたします。

(文責:渡辺哲也)

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常設展示「野尻湖発掘のあゆみ」パネルなどを更新

昨日(5月31日)は休館日でしたが、この日を利用して、常設展示室のパネルを更新しました。

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展示パネル設置作業のようす

 

発掘の歴史を振り返る「野尻湖発掘のあゆみ」パネルには今年3月におこなわれた第21次発掘の写真まで入り、最新のものに更新されました。50年以上続く発掘の歴史をどうぞご覧ください。

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今年3月実施の第21次発掘も入っています

 

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体験イベントをおこないました

野尻湖ナウマンゾウ博物館近くの公民館で11月21日、22日に地域の文化祭がおこなわれていて、それに合わせ、博物館では体験イベントを開催しました。
21日(土)は化石のレプリカづくり。本物のゾウの歯の化石の型をとり、そこへ石こうを流し込んでレプリカをつくりました。

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化石の型を取っているところ

22日(日)は縄文のペンダントづくり。こねた粘土を平らにのばし、その上に縄の模様などを付けてペンダントにしました。

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縄の模様を付けているところ

両日とも、20名ほどの方に楽しく体験をしていただくことができました。

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杉久保遺跡の学習会をおこないました

本日、学習会「杉久保遺跡・杉久保型ナイフ形石器」を学ぼう、をおこない、9名の方にご参加いただきました。
杉久保遺跡は野尻湖の北岸に位置する遺跡で、野尻湖の近くに住む池田寅之助さんが集めていた石器を、昭和28年(1953)に、芹沢長介さん、麻生優さんという考古学者が旧石器時代のものと確認したことから知られるようになった遺跡です。ここで見つかった柳の葉のように細長くて上下がとがっている石器は「杉久保型ナイフ形石器」と名づけられました。
今回の学習会では、杉久保遺跡発見のエピソードや石器の見方などの話を聞いていただき、その後、本物の石器を触りながらよく観察していただきました。石器を手にしながら、旧石器時代に思いをはせ、楽しい会話がはずみました。

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杉久保遺跡の石器を観察中

 

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戸隠で貝化石を採集しました

10月24日(土)に長野市戸隠で貝化石採集会をおこないました。
天候に恵まれ、絶好の行楽日和。山の紅葉を楽しみながら、貝化石を採集しました。
参加者のみなさんはたくさんの貝化石をみつけていました。

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午後は戸隠地質化石博物館に移動し、採取した化石のクリーニングをおこないました。
化石を壊さないように、慎重にまわりの砂を取り除いていきます。
みなさん集中して取り組んでいました。ちょっと時間がたりなかったようで、家に持ち帰ってやってみようという方もいらっしゃいました。
最後に学芸員さんに説明していただきながら、戸隠地質化石博物館の展示を見学しました。
およそ400万年まえ、長野県が海だったころのようすなど、大地の生い立ちを学びました。

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