大室古墳群、八丁鎧塚に行ってきました

本日(10月2日)、学習会「遺跡めぐり(秋)-大室古墳群(長野市)と八丁鎧塚古墳(須坂市)-」をおこないましたので報告します。参加者は19名でした。
今回は積石塚と呼ばれる石だけを積み上げてつくられた古墳をテーマに見学することとし、まずは長野市の大室古墳群に向かいました。朝9時にマイクロバスに乗り込み、高速道路にのって長野インターチェンジを目指しました。最初の見学は高速道路から見える大室古墳群。大室第一と第二トンネルの間に見える古墳群をバスの窓から見てから高速道路をおり、古墳群に向かいました。大室古墳群は国の史跡に指定されていて、エントランスゾーンと呼ばれる範囲は全体に芝が張られ、きれいに整備されています。ここでは長野市教育委員会の風間さんと清水さんにご案内をしていただきました。最初に大室古墳館というガイダンス施設の中で、空中写真や地形模型を使って大室古墳群の全体的な説明をしていただき、その後、整備された古墳を説明していただきながら見学しました。石室に入ることのできる古墳もいくつかあり、この古墳をどうやって造ったのか、どのように埋葬したのかなどを考えながら、5世紀から7世紀という遠い昔のことに思いを巡らすことができました。

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大室235号墳を見学

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大室244号墳(将軍塚)の石室に入る

昼食の後、須坂市の八丁鎧塚に向かいました。ここは県指定の史跡で、やはりきれいに整備されています。ここでは須坂市立博物館の三ツ井さんに説明をしていただきました。東日本最大級の積石塚古墳ということで、まずはその大きさに圧倒されました。積まれている大量の石は近くを流れる鮎川から運ばれてきたものということで、切り出した平らな石で造られた大室の古墳とは違い、円礫を積み上げて造られていることが見て取れました。

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八丁鎧塚を見学

その後、須坂市立博物館へ移動し、八丁鎧塚や本郷大塚から出土した遺物を見学しました。八丁鎧塚からは獅子の顔が付いた帯金具が3点出土していたり、南シナ海で採れる貝を素材にした腕輪が出土していたりと、朝鮮半島とのつながりが感じられる遺物が出土していることや、本郷大塚からは盗掘されていなかった石室の中から、鏡や太刀、耳飾りなどが多数出土し、馬具も多く見つかっていることから、馬の生産などとのかかわりが考えられることなどの説明を受けました。須坂市立博物館からの帰路、本郷大塚古墳に立ち寄り、道路拡幅のために破壊されかけた古墳がきちんと残されているところを見てきました。

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本郷大塚古墳

今日一日、天候にも恵まれ、信濃町では見られない古墳をたっぷり見学して、この地域の古墳時代について多くのことを学ぶことができました。
各見学地でお世話になったみなさまに感謝いたします。
(渡辺哲也)

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