博物館サークル

野尻湖ナウマンゾウ博物館では、地域のみなさんに博物館をより活用していただくため、信濃町をフィールドに博物館を使って学習、調査研究活動をするサークルを募集しています。登録していただいたグループの活動をサポートいたします。

対象 信濃町を中心に活動し、信濃町の自然や歴史について研究、調査、学習するグループ。
登録方法 登録申込書をご記入の上、博物館にお持ちいただくか、ファックス、郵便でお送りください。審査の上、登録書をお送り致します。
博物サークル登録申込書(Word)
※審査により、ご登録いただけない場合があります。
特典 ・グループの学習会、会議、作業等で博物館の部屋をお使いいただけます(事前に予約が必要です)。
・博物館にある図鑑や専門書などの文献をお使いいただけます。また、場合によってはご希望の文献を博物館の蔵書として購入します。
・博物館にある器具(顕微鏡、双眼鏡など)をお使いいただけます。また、器具の貸し出しもいたします。
・グループの活動の宣伝について学芸員がお手伝いいたします。
・研究成果の発表について学芸員がお手伝いいたします。
お問合せ先 野尻湖ナウマンゾウ博物館

現在、登録中のサークルは次の通りです。

 

登録サークルのご紹介

 

No1. 信濃町星空研究会

当会は、信濃町の星空に親しむために設立されました。「研究会」と名が付いておりますが、学術や天文研究が目的ではなく、彗星や流星、日食などの天文イベントに合わせた観望会の開催や、星空をただ眺めたり、あるいは写真を撮影するなど、広く星空に親しむことを主な活動としています。また毎年8月12日付近に見られるペルセウス座流星群の際には、必ず観察会を行っています。近年文明の発達とともに夜が人口光によって明るくなり、それに伴って不必要な光が夜空に向かって放出される「光害」が深刻化し、年々星空が見えずらくなってきております。これは信濃町も例外ではありません。ただ一方で、街の明かりから少し離れ、あるいは街灯の光を避けるだけで、驚くほど沢山の星が見える環境がまだ残されているのも、信濃町の大きな特徴の一つです。首都圏などの都会では、天の川はおろか一等星しか見えない場所が多い中で、当町の星空環境は大変恵まれており、その恩恵を大切にし、将来に残さなければならないと考えています。

ラヴジョイ彗星2015. 01

皆既月食2014. 10


 

No2. 信濃町コケの会

当会はコケ好きの人たちが集まり、コケの観察や情報交換をし、コケに親しんでゆこうという会です。学術的な会ではなく主な活動は
①近隣に生息するコケの名前や性質を知る
②コケスポットにコケを見学に行く(チャツボミゴケ、ヒカリゴケ等)
です。近年、コケブームで地球上のあらゆる環境で生息する足元の小さなコケ達に注目が集まっています。またコケの持つ癒しの効果にも関心がもたれて、コケ玉やコケ盆栽が作られ、販売されています。目立たず忍耐強く生きるコケから学ぶことは多々あります。

「猫の寝た迹もつかぬぞ苔の花」

コケ庭

ヒノキゴケ


 

No3. 野尻湖水草復元研究会

ソウギョの食害により水草が全滅した野尻湖は、淡水赤潮の発生など、生態系が不安定といわれています。そこで水草による豊かな自然環境・水環境の復元を目的に、衛生公害研究所・野尻湖博物館の職員や、ウインドサーファー・ダイバーなどが中心となり、国立公害研究所・東京大学等の協力を得て、1996年に本研究会が設立されました(機関名称は当時)。そして野生絶滅種(当時)の野尻湖産ホシツリモの復元を活動のシンボルに、野尻湖内に設置した実験区で水草復元に向けた調査・研究を開始しました。これと並行して地域の方々や児童に向けての環境啓発を実施するのが本活動の特徴です。これまでの実験区での調査からA.湖の中の生き物は互いに密接に関係しており、ホシツリモの復元には関係する生き物全体(水草帯)の復元が必要である、B.ソウギョの食害が低下すれば、時間は要するものの、大規模な土木工事を行わなくても水草帯が復元できる、などが明らかになりました。そこで現在は野尻湖内定点の水草モニタリング調査(ラインセンサス)や浅い沿岸部の水草分布の変化を中心に調査しています。本活動に対して、野尻湖漁業協同組合のみなさんをはじめ多くの町民の方々からご協力いただいたことに感謝します。

①実験区内でホシツリモが小群落を形成(2012年)

②潜水活動による水草のラインセンサス調査(2013年) 湖底に設置した調査線(白線)に沿って生物分布を記録。


 

No4. 信濃町ほたるの会

古間の戸草地区を流れる芋川用水では、平成12年の調査で約3000匹のゲンジボタルが観察されました。ちょうどその頃、用水路の改修工事が計画され、それを知った有志が県・旧三水村・用水組合・信濃町に働きかけて、結果的にホタルに配慮した工法が採用されることになりました。コンクリート3面張りをやめて自然に近づけた部分では、昔から続けてきた泥あげや草刈が毎年欠かせない作業として残ることになりました。
信濃町ほたるの会は、この作業に協力する形で平成13年9月に設立されました。それ以来、毎年欠かさず作業とホタルの保護活動を続けています。その甲斐あって、近年、改修工事前と同水準まで生息数が回復しました。
その他の活動としては、調査や学習会、見物に訪れる方への案内等を行っています。会員数は20数名で、東京の方もおられます。年齢を問わず、随時会員を募集しています。個人会員は年会費500円で、1名分で家族全員が加入出来ます。宿泊業等施設単位での入会も歓迎いたします。
用水を止めて行う作業の際には、水生生物の観察ができ、時には魚つかみなどのおまけもあります。ご入会をお待ちしております。

泥あげ作業

学習会のようす


 

No5. シナノキプロジェクト

信濃の語源とも言われるシナノキ。そんなシナノキを使って、古来人々が工夫を重ねて繊維を採っていた体験を、自分達もやってみようと始まった活動がシナノキプロジェクトです。作業としてはシナノキの伐採→樹皮を剥ぐ→水に漬けて柔らかくする→外皮を剥ぎ、繊維層を薄く剥いでいく→灰汁で煮たりぬかに漬けて晒す→細く裂く、という段階を経て、現在は繋ぎ合わせ(績む)、細糸や細縄に綯う→織るまたは編むと進んでいる所です。試行錯誤の連続ですが、それもまた楽し♪安曇野や戸隠の作家さんを訪ねたり、十日町博物館を見学と称して体験会に参加したり、少しずつの時間の積み重ねが徐々に形になっていくのは嬉しいものです。